妊娠でできる肉割れ「妊娠線」の予防法!妊娠線を消す方法はある?

1.肉割れの一種である妊娠線とは?


 妊娠線とは、皮膚にできるピンクや紫、茶色の亀裂のことで、肉割れの一種です。多くの妊婦さんが、経験するといわれている肌トラブルで、一度できてしまうと基本的には消えません。

 また、お腹だけではなく胸や太ももなど、さまざまな部位にできることも特徴です。なるべく妊娠線を作らず、産後もきれいな肌をキープしたいですよね。そこで、予防法の前に、妊娠線ができてしまう理由やどんな症状なのか、色による妊娠線の時期の判別などを解説していきます。

妊娠線ができる理由


 妊娠線ができてしまう主な理由は、お腹や胸が急に大きくなることと、ホルモンバランスの影響です。
 
 そもそも皮膚は、表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造から成っていて、表皮が伸びやすいのに対し、真皮や皮下組織は伸びにくいです。そのため妊娠によってお腹や胸が急激に大きくなると、表皮は伸びるのに真皮や皮下組織はそこまで伸びず、ズレが生じてしまいます。そのズレが裂け目となり、真皮に溝ができてしまうことに。そこに表皮が引っ張りこまれることで、へこんだような状態になります。これが妊娠線なのです。

 また、なぜ妊娠線が赤や紫色をしてるかというと、真皮や皮下組織に断裂が入ることで皮膚の表面から毛細血管が透けて見えます。そのため、赤や紫に見えるのです。

 もう一つの妊娠線ができる理由はホルモンの影響を受けることです。妊娠中は、肌の弾力を失わせる働きを持ったホルモンの分泌が増えるので、張りのない肌になりやすいです。そのため、もともと妊娠中は亀裂のできやすい状態でもあるのです。

妊娠線は痒いの?痛いの?


 妊娠線や肉割れも、かゆみを感じるという人もいます。しかし、痛みはなく、それほど自覚症状がないので知らないうちにできてしまうことが多いようです。
 
 かゆみを感じたらそれは妊娠線ができるサインです。すぐに保湿をし、ケアを徹底しましょう。

 筆者はお腹には妊娠線はできなかったのですが、妊娠中、お腹にかゆみを感じることが頻繁にありました。ちょうどお腹が大きくなってきた頃からです。お腹全体が熱く、火照っているようなかゆみでした。かゆみを感じたときはすぐにクリームを塗り、なるべく引っ掻かないよう気を付けていました。

色で判別できる肉割れができた時期


色によって肉割れである妊娠線ができた時期を判別することができます。赤紫の肉割れはできたばかりの肉割れ。しばらく経つと赤からピンクにかけての色になり、かなり時間が経つと白くなります。

すでに妊娠線ができてしまった方は、その色からできてどれくらい経ったのか判別することができるでしょう。

筆者は全く予期していなかったお尻の横、腰のあたりに妊娠線ができていたことを産後1か月してから発見しました。あざだと思っていましたが、左右両方に同じものがあり、数日経っても全く変化しないので、妊娠線だと気づきました。

見つけた当初は赤色でしたが、8か月ほど経つと薄茶色になり、かなり目立たなくなりました。その間なかなかケアをしている余裕がなかったので特に何もしていませんが、自然に薄くなっていきました。あくまでも一例として参考にしてみてください。

妊娠すると肉割れができやすい部位


肉割れができやすい部位はお腹、下腹部、胸のわきや下、お尻から腰回り、二の腕、太ももなどです。
 
その中でも特に肉割れしやすい部位は下腹部。加えて、お尻、二の腕、太ももなどにもできやすいです。これらの部位は妊娠により皮下脂肪が増えるので、肉割れしやすいのです。

妊娠線を予防する方法は?妊娠しても肉割れしないための対策


妊娠線という肉割れを作らないためには、早めの対策が重要です。肌の保湿はもちろん、体重管理にも気を使いましょう。ここから妊娠線の予防法を解説していきます。

妊娠前からの肌ケアの徹底


妊娠する前、つまりお腹が大きくなる前からお肌をケアすることが大切です。気が早いと思うかもしれませんが、早めの肌ケアが妊娠線の予防につながるので、早いに越したことはありません。また、皮膚が硬い人は妊娠線ができやすいともいわれています。少しでもやわらかい肌にするため、妊娠する前から普段のボディケアとして取り入れてはいかがでしょうか。
 
妊娠中の方は、すぐにでも肌ケアを始めてください。しかし、つわりがあると中々ケアもできないので、その場合はつわりが落ち着いてから始めましょう。

肌は保湿を続けていればどんどん良い状態になっていきます。ぜひ妊娠前、初期から、出産する直前まで継続しましょう。

保湿クリームで肌の柔軟性を維持

保湿クリームで、肌を柔軟に保ちましょう。

それも妊娠してからではなく、妊娠する前から、お腹や二の腕、太ももなどクリームを塗り、皮膚を少しでもやわらかくしておけるとよいですね。

妊娠前のケアでは、クリームは妊娠線用ではなく、普通の保湿クリームでも十分です。

マッサージで弾力性と代謝の促進

保湿クリームを塗りつつ、マッサージもすることで肌に柔軟性と弾力が出るので、皮膚が伸びても断裂の起きない肌に近づけることができます。またマッサージすることで血行促進にもつながり、肌代謝が向上するという効果も期待できます。マッサージの際には、伸びの良いテクスチャーの保湿クリームを選びましょう。よりマッサージしやすくなるはずです。

お腹だけでなくお尻や太ももの肌ケアをしておく

 妊娠線といえばお腹にできるイメージがあり、一目で大きくなっているのがわかるのでお腹に気が向いてしまいがちですが、お尻や太ももにできて後悔してしまうこともあります。

 筆者も、お尻から腰に掛けての全くマークしていなかった場所に妊娠線ができてしまい、非常にショックを受けました。お腹のように目立つ部分ではないですが、産後も妊娠前と変わらない身体でいたいと思っていたので、ショックでした。また、つわりが落ち着いてきた妊娠初期からほぼ毎日ケアをしていたので自分のケアが行き届いていなかったのか、と愕然としてしまいました。
 そのようなことにならないためにも、お腹以外の部位、お尻や太もも、二の腕など、かなり広範囲にわたって、毎日ケアをする必要があります。油断は禁物です。

妊娠したら肉割れしないために専用クリームを使う

 晴れて妊娠したことがわかったら、妊娠線専用のクリームを使って肌ケアをしましょう。普通の保湿クリームよりも保水・保湿力があるのでより肉割れのできにくい肌にする効果があります。
 ケアをするタイミングは、お風呂上りがおすすめですが、一日に一回といわず、数回にわたってクリームを塗るとより効果的です。
 
 妊娠線クリームはピジョン、ママ&キッズ、ワコールなど、さまざまなメーカーから発売されています。事前にテスターなどで試したり、ネットの口コミやSNSを参考に、自分好みのマタニティークリームを選びましょう。

妊娠中に急激な体重増加をしない


 肌ケアの徹底だけではなく、体重管理もかなり重要です。急激に体重が増え、お腹が大きくなると、表皮が急に伸びるため、それに真皮や皮下組織が妊娠線がで付いていけずに妊娠線ができてしまうことに。

 急激に体重が増える妊娠5カ月頃、お腹の赤ちゃんが大きく成長する8か月頃は特に注意が必要です。肌に無理をさせず、また安産にするためにも、体重増加は6~12Kg抑えることが大切です。(個人差があるのでお医者様に相談してください。)

 急な体重増加を防ぎ、適正体重を意識したマタニティ生活を送りましょう。

良質な睡眠と健康的な食生活で肌を健やかに保つ


 肌を健やかに保つためには、良質な睡眠と健康的な食生活が大切です。

 良質な睡眠には、寝ている間に分泌される「成長ホルモン」がポイントです。成長ホルモンは骨や筋肉の成長を促すだけでなく、皮下組織の水分を保つ、肌のターンオーバーを促進させる、皮膚の細胞分裂、再生を促すなどのさまざまな働きを持っています。この成長ホルモンは、寝入ったすぐ、最初のノンレム睡眠時に特に多く分泌されます。
 
 ノンレム睡眠時は脳も休んでおり、脳や体の回復に重要と考えられています。睡眠はまずこのノンレム睡眠から始まります。22時から24時までの間に眠りにつけば、2時頃までの間にノンレム睡眠に入りやすくなります。これがいわゆる「シンデレラタイム」です。この時間帯までに寝入ることで成長ホルモンが分泌され、肌が修復されるのです。また、この成長ホルモンをさらに分泌させるためには、成長ホルモンの働きを促す「メラトニン」を分泌させることが大切。このメラトニンは夜になり、暗くなることで分泌されますが、スマートフォンやPCのブルーライトなどの光を浴びると分泌が抑えられてしまいます。寝る2時間前くらいからスマホやPCを使用することはやめましょう。

 しかし妊娠中はなかなか寝付けなかったり、眠りが浅くなってしまうことも。そのときは寝れるときに少しでも寝ておきましょう。寝なくちゃ!と思って焦ってしまうと余計にストレスを抱えてしまうことにもなるので、時間帯にこだわりすぎず、まずはきちんと睡眠時間を取ることを意識しましょう。

 食生活の面では、ビタミンを意識して摂るなど、栄養摂取が大切です。特に肌のターンオーバーを促進させるビタミンB₁、シミなどを防ぎコラーゲンを作るビタミンC、皮膚の新陳代謝を活発にし、肌の老化を防ぐビタミンEが効果的です。ビタミンB₁は豚肉、レバー、豆類、ビタミンCは果物、野菜、芋、ビタミンEはナッツ類、植物油に多く含まれています。バランスの良い食事を前提にしつつ、これらの食材を取り入れることで妊娠中も健やかな肌を維持することに役立ちます。

出産後はより徹底的に肌ケアをしていち早く体重を戻す


 妊娠中はもちろん、出産後もケアを怠るのは厳禁です。出産後、胸が張ったり、出産時にいきんだりしたときに妊娠線ができることもあります。出産後こそ徹底した肌ケアが必要なのです。とはいえ3時間おきの授乳など、なれない新生児のお世話は大変です。自分のことにまで気が回らないことが多いですが、マタニティークリームには赤ちゃんと兼用で使えるものもあります。そうしたものを利用し、赤ちゃんの肌ケアをするついでにママも肌ケアをしてしまえるとよいですね。
 
 いち早く体重を戻すことも重要です。しかし落とす体重の目安は、出産直後をのぞき、週に0.5Kg、1カ月で2Kgが適切です。それ以上のぺ―スで体重を落としてしまうと体調不良になったり、体力低下、骨粗しょう症などにもつながる恐れがあります。妊娠中からの健康的な食事を続け、赤ちゃんをあやしながらでもできる運動して体重を戻しましょう。

できてしまった妊娠線は消すことができるの?妊娠による肉割れ対処法


 徹底した肌ケアをしていても妊娠線ができてしまうことも。確実に妊娠線を予防できるわけではないのです。
 さて、妊娠線ができてしまったらどうするか。これからその対処法を解説していきます。

一旦できた妊娠線を消すことはできない


 基本的に、一旦できてしまった妊娠線を消すことはできません。なぜなら肌の表面ではなく、肌の内部が損傷してしまっている状態だからです。しかし、妊娠線は肉割れと同じで薄くすることは可能です。放っておいても次第に白く、目立たなくなっていきます。

肉割れと同じ現象なので目立たなくすることはできる


 妊娠線は肉割れと同じ現象です。肉割れが改善できるのと同じで、妊娠線も目立たなくすることは可能なのです。放っておいても薄くなっていくものですが、より早く妊娠線を薄くするための方法を紹介します。

①クリームを塗る

 妊娠線の予防時と同じようにクリームを塗ることで改善します。特にビタミンCや葉酸などのダメージ補修成分が含まれているもの、保湿力、低刺激のものを選ぶと効果的です。
 保湿力という点では、クリームよりもアロマオイルが油分が多いので優れています。またヒアルロン酸、セラミド、尿酸などの保湿成分の高いものを選ぶことがおすすめです。

➁病院で治療する

 病院でレーザー治療などを受けることで妊娠線を薄くすることが可能です。しかし妊娠中や授乳中は施術ができなかったり、治療後にすぐ次の子を妊娠したりすることも。どうしても妊娠線が気になる方は、よく考えてお医者様に相談してみてください。

継続してケアしていくことが妊娠による肉割れに一番効果的


 妊娠線は肌の内部が傷つく、肉割れと同じ現象。まずは妊娠前、初期からの継続したケアが重要です。さらにケアを続ければ続けるほど肉割れが消える確率がアップしていきます。出産後は忙しいとは思いますが、肉割れを目立たなくするために無理のない範囲でケアを徹底していきましょう。

全体のまとめとメッセージ

妊娠に伴う肉割れに悩んでいる人は、妊婦全体のおよそ半数にも及ぶとされています。

一旦できてしまうと、長期的な対策や徹底ケアが必要となりますので、できればできないように日ごろから気を付けておくとよいでしょう。

できてしまった妊娠線も、努力次第ではかなり目立たなくすることはできます。

美しいママを目指して、継続的で徹底したケアに挑戦してみましょう。